まじめな豆腐のこころ

豆腐の話   ■すばらしい豆腐の魅力
 豆腐づくりは2000年ほど前に中国で始まり、奈良時代に日本に渡来したといわれています。ただし、豆腐づくりが広まったのは茶道の隆盛した室町時代以降のこと。最初は高級食材として貴族や一部の富裕な階層の食べ物でした。その豆腐が、庶民の食べ物となったのは江戸時代になってからです。1782年(天明2年)に刊行された「豆腐百珍」という豆腐料理の本がベストセラーになり、続編まで刊行されたのはすでに豆腐が一般 的な食材として庶民に行き渡っていたことを物語っています。さて、1300年以上前に渡来した豆腐が、近年は日本の代表的な食材の一つとして欧米で大人気。それは、栄養価が高くて、しかもヘルシーであるという豆腐の優れた特性が注目されたからです。   豆腐の原材料は、大豆、にがり、水です。大豆は“畑の肉”といわれるほど、良質のタンパク質に富んでいます。また、大豆に含まれる脂肪にはコレステロールを下げる不飽和脂肪酸が多く、さらに血管の硬化を防ぐレシチンも多く含まれています。老化防止作用があるといわれるビタミンEやサポニンも含まれているまさに健康食品なのです。ただし、大豆は組織が固いために消化率が低いという欠点があります。煮豆などの一般 的調理では60〜68%、納豆や味噌などの加工品で80〜85%しか消化吸収されませんが、豆腐では95%も消化吸収されます。つまり、豆腐は大豆の優れた栄養価をもっとも効率よく摂ることができる食品なのです。その上、豆腐1人前(半丁・約150g)でタンパク質は9g、脂質3.5g、糖質1.9g、カロリーは87キロカロリーですから、きわめて低カロリー・高タンパクの食品といえます。つまり、肉食中心の食生活を営む欧米で、豆腐は栄養バランスのよい食品として注目を浴びたのです。

■モノづくりとしての豆腐
 モノづくりの中で、効率とか、利益率、が最優先される時代になったのは何時頃からでしょうか。その始まりは、昭和中期の高度成長の時代と一致するかも知れません。工業製品だけでなく、すべての分野に効率・利益率最優先の価値観が浸透していったのです。農産品は、収量 をあげるために化学肥料と農薬漬けになり、酪農や養魚の現場では抗生物質が多量 に用いられ、やがて、もっと安価な外国産が市場を占めるようになりました。そして、気がつけば、実にさまざまな合成の食品添加物が使われるようにもなりました。そして、収量 を上げるために遺伝子組替えの操作までされる時代になってしまったのです。安全とか、健康への配慮はどこへ行ってしまったのでしょうか。そんな憂いは市民みんなが抱いています。
  残念ながら、昨今は食品関連の不正事件があとを絶ちません。食品だけではありませんが、モノづくりの姿勢が、本当に問われ始めたのだと思います。原点へ戻ろう! そんな叫びが、少しずつ広がり、モノづくりの素晴らしさが再認識される時代が早く訪れることを願っています。  つづく

 
 
   
当店の「ざる豆腐」